毎日・世論フォーラム
第364回
2024年8月6日
公正取引委員会委員長 古谷 一之

テーマ
「競争政策の新展開」

会場:ホテルニューオータニ博多

巨大IT企業の寡占状況に風穴を

古谷 一之 公正取引委員会委員長
古谷 一之 氏

プロフィール

古谷 一之
(ふるや かずゆき)

 1955年、長崎県出身。78年、東大法学部卒業。在学中の77年、国家公務員上級試験(法律)と司法試験に合格し、大蔵省入省。83年、名古屋国税局島田税務署長。94~96年、石川県企画開発部長、同総務部長。その後、大蔵大臣秘書官、財務大臣秘書官を経て、2009年に財務省主税局長。12年に国税庁長官。13~20年、内閣官房副長官補。この間、日本経済再生総合事務局長代行等を兼務。20年9月から現職。
 就任時、「デジタル・プラットフォーム分野での実態把握を進めつつ、デジタル・プラットフォーム業者による反競争的な行為に対して厳正に対処していきたい」と表明、競争環境整備を進めるとした。

 毎日・世論フォーラムの第364回例会が8月6日、公正取引委員会委員長の古谷一之氏を講師に招き、福岡市中央区のホテルニューオータニ博多で開かれた。
 古谷氏は「競争政策の新展開」と題して講演。6月に成立した、巨大IT企業によるスマートフォン向けアプリ市場の独占を規制する新法「スマートフォン特定ソフトウエア競争促進法」(スマホ新法)の意義を強調。グーグルやアップルなど巨大IT企業への監視体制を強化する考えを示した。
 スマホ新法について古谷氏は、「ビッグテック(巨大IT企業)の寡占状況に少しでも風穴を開け、消費者の選択肢の拡大につなげたい」と説明。巨大IT企業の監視強化には「それなりの体制を整備しなくてはならない。デジタル分野の専門人材をリクルートし、我々の戦力になってもらいたい」と述べ、担当職員を現在の14人から増員する方針を示した。

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