毎日・世論フォーラム
第358回
2023年12月21日
作曲家・文化庁長官 都倉 俊一

テーマ
「音楽のはなし 文化のはなし」

会場:ホテル日航福岡

音楽と文化・芸術への思いを語る

都倉 俊一 作曲家・文化庁長官
都倉 俊一 氏

プロフィール

都倉 俊一
(とくら しゅんいち)

 1948年、東京都出身。学習院大学法学部卒。4歳からバイオリンを始め、小学校、高校時代を過ごしたドイツで音楽の基本を学ぶ。学習院大在学中に作曲家デビュー。
 70年代からヒットメーカーとして活躍し「日本レコード大賞」「日本歌謡大賞」「東京音楽祭」など日本の主要な歌謡祭で最高賞を受賞。
 ヒット曲は1100曲、レコード売上枚数は6000万枚をそれぞれ超え、作詞家の故・阿久悠さんとのコンビで世に送り出した「どうにも止まらない」「ペッパー警部」「UFO」など多くの曲が世代を超えて愛されている。2018年、文化功労者選出。21年4月、第23代文化庁長官に就任した。

 毎日・世論フォーラムの第358回例会が12月21日、福岡市博多区のホテル日航福岡で開かれた。講師は作曲家で文化庁長官の都倉俊一氏。「音楽のはなし 文化のはなし」と題し、音楽と文化について語った。
 1970年代からヒット曲を連発してきた都倉氏は、西洋を中心とした世界の音楽の歴史や、自身の音楽体験を紹介。「西洋音楽は最高のツール。学ばないと自己表現ができない」としつつ、「今は自分のDNAに忠実に音楽を作りたいと思うようになった」と心境の変化も口にした。
 また、他の先進諸国と比べて日本の文化予算が少ない現状にも言及。K―POPを引き合いに「日本は韓国の音楽業界の背中も見えない。向こうが国家的プロジェクトで取り組んでいるのに対し、日本は民間がやり、国が細々と補助している」と説明した。
 その上で、ポケットモンスターなど世界的に人気を集める日本のエンターテインメントを例示。「国と民間が連携し、芸術産業が日本の基幹産業になるよう努力しなければならない」として文化予算の拡充が必要だと訴えた。

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