毎日・世論フォーラム
第355回
2023年9月25日
毎日新聞 専門編集委員 伊藤 智永

テーマ
「内閣改造と政局」

会場:ホテル日航福岡

内閣改造を境に動き 選挙意識か

伊藤 智永 毎日新聞 専門編集委員
伊藤 智永 氏

プロフィール

伊藤 智永
(いとう ともなが)

 東京大学文学部卒。1986年、毎日新聞社入社。浦和支局(現・さいたま支局)を振り出しに、91年・政治部。経済部、福岡報道部デスク、外信部を挟み、現在まで永田町・霞ケ関を取材。2009~12年、ジュネーブ特派員を務め、国連欧州本部、11年初頭から中東・北アフリカ地域各国で本格化した民主化運動「アラブの春」、ギリシャ経済危機、欧州留学時の金正恩・現朝鮮労働党総書記の足跡などを取材した。
 帰国後はオピニオン担当編集委員、編集局専門記者兼論説委員を経て現職。この間、政治コラム「時の在りか」を5年半連載。現在、毎週土曜日の朝刊にコラム「土記」を執筆している。
 著書に「靖国戦後秘史―A級戦犯を合祀した男」(2015年、角川ソフィア文庫。単行本は2007年、毎日新聞社)、「『平成の天皇』論」(2019年、講談社現代新書)など。

 毎日・世論フォーラムの第355回例会が9月25日、福岡市のホテル日航福岡で開かれ、毎日新聞専門編集委員の伊藤智永氏が「内閣改造と政局」と題して講演した。伊藤氏は「選挙を意識していると思われる動きが、内閣改造を境に立て続けに起きている」として年内の衆院解散総選挙の可能性について語った。
 伊藤氏は、岸田文雄政権による13日の内閣改造について、来秋の自民党総裁選を見据えて「党内の多数派固めをした」と指摘。パナソニック社員で元国民民主党参院議員の矢田稚子(わかこ)氏を首相補佐官に起用したことについて、日本維新の会が党勢拡大を狙う大阪府では、矢田氏の出身労組の電機連合と自民・公明の前回参院選での得票を合わせれば維新とほぼ互角になるとし、「解散に向けた一つの戦術なのかもしれない」と見解を述べた。 年内の解散総選挙で勝利すれば、次期総裁選で岸田氏が再選される可能性は高まるとした。一方、岸田氏の後継「ポスト岸田」については、河野太郎デジタル相の名前を挙げた。

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